社長ブログ
【社長ブログ】損保代理店として対物賠償における代車回送費用の取扱いについて、公正取引委員会へ問題提起を行いました
平素より、まらねろモータースグループをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび当社グループでは、自動車事故に伴う対物賠償実務における「代車の配車・引取・回送費用」の取扱いについて、公正取引委員会の所定窓口を通じて申告を行いました。
今回の申告は、特定の事業者を一方的に批判することを目的としたものではありません。
当社は、保険代理店として、また事故対応に携わる自動車関連事業者として、損害保険業界における対物賠償の考え方について、より公正で実務に即した業界慣行を形成していく必要があると考え、本件の問題提起に至りました。
交通事故によりお客様のお車が使用できなくなった場合、日常生活やお仕事への影響を抑えるため、代車を修理工場・ご自宅・勤務先などへ配車することがあります。
このような代車の配車・引取・回送は、事故対応を円滑に進めるために必要となる実務上の作業です。
一方で、損害保険実務においては、これらの費用が「顧客に直接請求されていない」「商慣習上、顧客に請求される性質のものではない」などの理由により、損害として十分に評価されない場面があります。当社は、このような取扱いが結果として中小の修理事業者・レンタカー事業者等に費用負担を帰属させる構造につながっていないか、改めて検証が必要であると考えております。
民法第416条では、損害賠償の範囲について、通常生ずべき損害、または特別の事情により生じた損害であって予見可能なものが賠償の対象となると整理されています。当社は、事故対応に不可分に付随して発生する代車の配車・引取・回送費用についても、事故との相当因果関係や実務上の必要性に照らし、対物賠償における損害評価のあり方として検討されるべき論点であると考えております。
また、近時、公正取引委員会は、自動車業界における付随的な運送・回送業務の費用負担について、日産東京販売株式会社および徳島トヨタ自動車株式会社に対する勧告を公表しています。
これらの事例では、下請事業者に対し、自動車の引取り・引渡しに係る運送や、自動車部品の引取りに係る運送を無償で行わせていた点が問題とされました。公正取引委員会は、こうした行為について、旧下請法第4条第2項第3号に定める「不当な経済上の利益の提供要請」に該当すると整理しています。
現在の中小受託取引適正化法、いわゆる取適法においても、委託事業者が中小受託事業者に対し、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、中小受託事業者の利益を不当に害する行為は、取適法第5条第2項第2号により禁止されています。
もちろん、本件は上記の勧告事例と全く同一の事案ではありません。
しかし、事故対応に伴って発生する付随的な役務や費用が、実務上どのように評価され、誰が負担すべきものと整理されるのかという点では、自動車業界全体で検討すべき重要な課題であると考えております。
なお、当社は本申告に先立ち、関係先に対して申告内容の概要を通知し、事実関係に関する認識の相違がある場合にはご指摘いただきたい旨をお伝えしました。
これに対し、関係先からは、当社の認識については承知したものの、申告内容に関する認識の相違有無についてはコメントを差し控える旨の回答を受けております。
当社は、保険代理店として、お客様に分かりやすく、適正で、透明性のある事故対応を提供する責任があると考えております。
その責任と使命感のもと、今回の申告を行いました。
当社グループは、今後もお客様の利益を第一に考え、適正で透明性のある事故対応を通じて、損害保険業界において金融庁から求められている「顧客本位の業務運営」の趣旨に沿った実務の実現に努めてまいります。